手術後に生じる痛みやがんによる痛みの適切な緩和に期待
テルモ株式会社は2月17日、解熱鎮痛剤「アセリオ静注液1000mgバッグ」について、全国の医療機関に向けて販売を開始した。同剤は、国内で唯一のアセトアミノフェン点滴バッグ製剤。
画像はリリースより
同社では、2013年11月からガラスバイアル製剤の「アセリオ静注液1000mg」を販売。これは解熱鎮痛効果を持つアセトアミノフェンを有効成分とする国内で唯一の静注製剤で、医療上の必要性が高い医薬品として、厚生労働省からの要請を受けて開発された。現在では、大学病院や地域がん診療連携拠点病院を中心に全国で幅広く使用されている。
今回発売されたアセリオバッグは、アセトアミノフェン静注液をプラスチック製のソフトバッグに充填したもの。酸化しやすいアセトアミノフェンを、プラスチック内での製剤として安定させることができた。これまで販売しているアセリオと同様に手術後に生じる痛みやがんによる痛みの適切な緩和に役立てられることが期待されると、同社は述べている。
日本緩和医療学会と日本緩和医療薬学会の要望を受けて
アセトアミノフェン製剤は、国内においては、経口製剤と坐剤があるが、坐剤の使用は小児に限定されており、成人には経口製剤以外の選択肢がなかった。このような背景もあり、アセトアミノフェン静注製剤の開発について、日本緩和医療学会および日本緩和医療薬学会が要望を提出し、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で検討された結果、厚労省よりテルモへ要請が出された。
これを受け、同社はアセリオを開発し、2013年に販売を開始。その後、利便性向上のため、ガラス容器ではなくプラスチック製のソフトバッグにアセトアミノフェンを充填したアセリオバッグを開発したとしている。
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・テルモ株式会社 プレスリリース