パーキンソン病などの病態解明とそれに基づく新規バイオマーカー開発
徳島大学は2月23日、MRIなどの神経画像を用いた神経疾患の病態機序解明と、新規診断・重症度評価法を開発したと発表した。この研究は、同大学病院神経内科の佐光亘特任助教と、同大学医歯薬学研究部臨床神経科学分野および放射線医学分野の研究グループによるもの。
画像はリリースより
magnetic resonance imaging(MRI)やMR spectroscopy(MRS)を中心とした神経画像は、ヒトの脳を傷つけることなくその機能と構造を評価できるツールとして、研究や臨床に応用されてきた。研究グループではこれまで、このMRIやMRSを用いて、パーキンソン病をはじめとするパーキンソン症候群、ジストニア、筋萎縮性側索硬化症、認知症など、中枢神経に異常を持つ神経疾患の病態解明とそれに基づく新規バイオマーカー開発に取り組んできた。これらの疾患では、実臨床や臨床試験において汎用性の高い客観的な診断法や、重症度を評価できるバイオマーカーが未だ開発されておらず、新たな診断・評価方法の確立が待たれている。
複数のバイオマーカーを統合した、より正確なバイオマーカー開発へ
今回の研究では、主にMRIを中心とした神経画像を用いてバイオマーカーを開発。各疾患に対する新規バイオマーカー候補として、別の前向きコホートにより現在検証が行われているという。
さらに、各バイオマーカーのより強固なエビデンスを確立するメタ解析の手法を神経画像研究へ応用することにも成功した。
同研究グループは、血液や髄液などのタンパク質バイオマーカー開発への取り組みも開始。最終的にはこれら神経画像・タンパク質などの複数のバイオマーカーを統合した、より正確なバイオマーカー開発へと発展していく予定だという。これらの研究が今後、実臨床や臨床試験で使われるバイオマーカーへつながることに期待が寄せられている。
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・徳島大学 研究成果