SDAMと呼ばれる新しい作用機序を有する化合物
大塚製薬株式会社とデンマークのH.ルンドベックA/Sは2月20日、大塚製薬がカナダ保健省より、成人の統合失調症の効能で「REXULTI(R)」(一般名:ブレクスピプラゾール)の販売承認を取得したと発表した。同剤は、グローバル・アライアンスを組む両社が共同販売を行うとしている。
カナダにおける統合失調症の発症率は約1%で、35万人以上の成人統合失調症患者がいると推計されている。統合失調症は、完治できない患者がいまだ存在する疾患であり、新たな治療薬が待ち望まれていた。
同剤は、大塚製薬が創製した独自の新規化合物で、ルンドベック社と共同開発した。ドパミンD2受容体およびセロトニン5HT1A受容体に強く結合してパーシャルアゴニストとして働き、セロトニン5HT2A受容体にはアンタゴニストとして働くSerotonin-Dopamine Activity Modulator(SDAM)と呼ばれる新しい作用機序を有している。
米国では成人の大うつ病の補助療法と統合失調症の2つの適応症で承認
REXULTIは、2015年7月に米国で成人の大うつ病の補助療法と統合失調症の2つの適応症で承認され、両社で共同販売を実施。日本では、2017年1月に製造販売承認申請をしている。
今回の統合失調症に関する新薬承認申請内容には、フェーズ2および3の大規模臨床試験で同剤を投与された2,700人以上の患者のデータが含まれており、プラセボに比較して陽性および陰性症状の有意な改善が確認された。
両社は、独自の作用機序を持つ同剤が新たな選択肢となることで、統合失調症の深刻な症状に悩む患者に希望を与えることができるとしている。
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・大塚製薬株式会社 ニュースリリース