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【東大/AMED】ゲノム医療研究を本格始動-肺癌、肉腫対象に第1弾

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2017年02月15日 AM10:30


■国際基準で遺伝子解析へ

東京大学と日本医療研究開発機構()は、ゲノム医療研究プロジェクトをスタートさせる。癌ゲノム医療を実践するため、東大内に国際基準の品質保証が行われたシークエンス室を開設し、癌や難病のゲノム解析に基づいた診断の確定、最適な診療の選択に役立てる研究を、まず肺癌と肉腫を対象に進める。また、癌のターゲット遺伝子パネル解析システムを独自に開発。その結果得られる遺伝子変異の臨床的意義づけを行う知識データベースを構築していく。

同プロジェクトは、AMEDの臨床ゲノム情報統合データベース整備事業の一環として実施されるもの。日本では、品質保証のもとで遺伝子の塩基配列を調べられる施設は限られており、海外の検査会社まで検体を送付していたり、ゲノム解析結果を解釈するために欠かせない癌ゲノム医療向けの知識データベースが存在しないのが現状だ。

そこで、同事業では、東大の分子ライフイノベーション棟に大型の次世代シークエンサーを配備、国際基準に準拠した「シークエンス室」を設置し、品質保証されたもとでのゲノム解析を行うことにしている。

実際の患者解析では、腫瘍部と正常部をシークエンス解析するが、それに用いるターゲット遺伝子パネルとして、ゲノム点突然変異やコピー数異常など、計476種類の遺伝子の融合について一度の解析で明らかにすることができるようになる。また、得られた解析結果のうち、どの変異情報が治療薬の選択に有用かを判定するための知識データベースも構築していく。

これらシークエンス解析と知識データベースを用いて、まず肺癌と肉腫に関するゲノム医療研究をスタートさせ、来年度以降に対象とする癌種を拡大していく予定にしている。

さらに検体採取後、2週間以内に患者の検体解析を行い、得られた変異情報と知識データベースの判定結果について、東大病院の臨床医と病理医、癌ゲノム専門家などによるカンファレンスを定期的に開き、患者の治療方針を議論することにしている。

同事業では、東大病院で癌のゲノム医療研究を実践していくのみならず、日本にゲノム医療を普及させるために必要な解析遺伝子パネルや癌ゲノム医療向けの知識データベースの開発を行い、外部へ公開していくほか、新設するシークエンス室では外部施設からの受託解析も行っていく予定。

一方、難病については、単一の遺伝子疾患を対象に、網羅的なゲノム解析により診断の確定を進める。解析結果の解釈は、各診療科や臨床遺伝学、遺伝カウンセリングなどの専門家が協議し、質の高い遺伝子診断を行う。

特に単一の遺伝子疾患の診療では、解析結果の意味を患者や家族によく理解してもらう必要があるため、検査を受ける前や検査結果を伝えてフォローする時、必要に応じて専門の認定遺伝カウンセラーによるカウンセリングを行い、遺伝に関する情報や社会の支援体制など、様々な情報提供と支援をしていく。

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