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慢性骨髄性白血病治療薬タシグナ、小児の適応追加で承認申請-ノバルティス

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2017年02月14日 AM10:30

+CML成人患者の治療薬として120か国以上で承認

ノバルティス ファーマ株式会社は2月10日、「(R)カプセル150mg・200mg」(一般名:)について、小児の慢性骨髄性白血病()の治療薬として、製造販売承認事項一部変更申請を行った。同社では、投与時の利便性や飲みやすさの向上と、小児CML患者においても使用されることを考慮し、この小児に対する申請に先駆けて、2017年1月に「タシグナカプセル50mg」の製造販売承認申請を行った。

タシグナは現在、「グリベック」(一般名:イマチニブメシル酸塩)を含む少なくともひとつの前治療に抵抗性か不耐容の慢性期または移行期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)成人患者の治療薬として、また初発慢性期のPh+CML成人患者の治療薬として世界120か国以上で承認されている。

日本では、「タシグナカプセル200mg」が「イマチニブ抵抗性の慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病」を適応症として2009年1月に承認を取得した後、2010年12月に「慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病」に適応拡大され、「タシグナカプセル200mg」の承認事項一部変更承認、「タシグナカプセル150mg」の製造販売承認を取得している。

小児CML、すべての小児白血病の3%未満

CMLは、赤血球、白血球、血小板など血液のもととなる造血幹細胞の異常により、9番染色体と22番染色体の相互転座によって形成されるフィラデルフィア染色体を特徴とする血液のがん。フィラデルフィア染色体上に生じる異常な遺伝子(BCR-ABL融合遺伝子)から産生されるBCR-ABLチロシンキナーゼが恒常的に活性化することで、白血病細胞が増殖し、CMLを発症する。CMLの病期は、慢性期、移行期、急性期の3段階からなる。小児では採血による検診の機会が少ないことから、発見が遅れることもあるが、小児CMLの約90%は慢性期で診断される。

国内の統計では、10万人あたり約1~2人がCMLを発症するとされており、小児のCMLはすべての小児白血病のうちの3%未満とされている。18歳未満の発症頻度は国内で年間約20人と少なく、その多くは思春期以降に発症するが、2~6歳の幼児期に発症する場合もある。

現在、CMLの標準治療は、国内外ともにチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による治療で、国内で承認されているTKIはいずれも小児のCMLに対する適応を有していないことから、同社はタシグナの小児のCMLに対する至適用法・用量の検討を目的とした開発を行ってきた。

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