■「調剤技術料の伸び」に反論
日本薬剤師会の石井甲一副会長は9日の定例会見で、厚生労働省が8日の中央社会保険医療協議会に提示した調剤費の分析結果を踏まえ、診療側委員から「調剤技術料の伸び」を問題視する発言があったことに反論した。
厚労省が診療種別に「医療費の伸び」の要因分析を行った資料で、入院医療費・入院外医療費が「高齢化」で説明できるのに対し、調剤医療費は「高齢化」よりも「その他の要因」が大きく影響していると説明していることを踏まえ、中医協では、診療側委員が「調剤技術料が伸び続けていることが要因の一つ」などと指摘した。
石井氏は、処方箋枚数そのものが「増えている」ことから、「その伸びを補正すれば、それほど調剤技術料の伸びは、医科に比べて大きいとは言えない」と説明。「調剤だけが儲かっているわけではない」と強調した。
調剤医療費の伸びについては、「薬剤料の影響が大きい」との見解を示すと共に、「薬局が意識して増やしているわけではない」とし、「しっかり要因分析してもらい、その上で議論してもらいたい」と注文を付けた。
同じ診療側委員が、2018年度改定に向けて「調剤報酬改定財源のあるべき姿を議論していくべき」と提案したことについても反論。診療報酬の「引き下げ、引き上げの財源をどうするかは中医協外で決める話。それを中医協の中で議論するというのは方向が違っている」と主張した。
また、調剤医療費の伸びが医療費の増大に大きく影響しているかのように仕立て上げ、調剤報酬を「引き下げた分の財源を医科(診療報酬)に持っていけというのは暴論。これだけは強く申し上げたい」と釘を刺した。
日薬としては、「今まで診療報酬のここがおかしいなどと、他人様のことを言ったことはない。いろいろ言われるというのは筋が違うのでは」と理解を求めた。