自動で腹膜透析液を交換する治療法に用いるホームPDシステム
バクスター株式会社は1月30日、末期腎不全の治療選択肢である腹膜透析(PD)療法のうち自動的に腹膜透析液を交換する治療法(APD)に用いる自動腹膜灌流用装置「ホームPDシステム かぐや/かぐやセット」の医療機器製造販売承認を取得したと発表した。
画像はリリースより
日本における慢性腎臓病患者は約1,330万人と推計され、腎機能が15%以下まで低下した末期腎不全では血液透析、腹膜透析もしくは腎移植の腎代替療法の検討が必要となる。日本では毎年約4万人近くの患者が末期腎不全によって血液透析、腹膜透析、腎移植の治療を新たに必要としており、2014年末時点での透析患者数は32万人。透析導入の平均年齢は年々上昇しており、2015年末には69.2歳と報告されている。
PDは透析療法の選択肢のひとつ。患者自身の腹腔へ腹膜透析液を一定時間貯留後に排出することで血液中の老廃物や水分を除去する透析療法だ。この透析には患者の就寝中に機械を使って腹膜透析液を自動的に交換するAPDと、日中に数回透析液を交換するCAPDという方法がある。PDは在宅で行うことのできる治療法で、通院は月に1~2回程度であるため、治療開始前の生活を比較的維持しやすい治療法といわれている。
遠隔からの治療結果モニタリングを可能にし、患者の操作性にも配慮
「かぐや」では、主に患者自身で透析液交換を行うPD療法において、患者がより安心感を持って在宅で治療を行うための機能を搭載したという。見やすく、操作性に配慮したタッチパネルを備えており、音声ガイダンスで透析液バッグの交換をはじめとした治療上の工程をサポート。バーコードによる透析液識別機能で誤使用を防ぎ、患者が使用した透析液の数量も記録するという。
さらに「かぐや」は、クラウド上にある腹膜透析用治療計画プログラム「シェアソース」と連携する日本で初めてのホームPDシステムとなる。データ通信機能を用いることで、医師が在宅治療を行う患者の日々の治療データにアクセスし、患者の治療結果に応じて透析液の貯留時間や量といった装置設定の調整を可能にするという。
なお、この「シェアソース」と連携した「かぐや」は、今年中に日本市場に導入予定だとしている。
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