■厚科審分科会で了承
厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会は1月30日、副反応の発生を踏まえ2005年から積極的勧奨を差し控えていた日本脳炎ワクチンの2期接種への対応を審議し、17年度から24年度までの間に18歳となる人に積極的勧奨を再開することを了承した。来年度は、1999年生まれの人に2期接種の積極的勧奨を行っていくことになる。
日本脳炎ワクチンをめぐっては、マウス脳由来ワクチン接種後に重症の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の副反応が発生したことから、厚生労働省は05年5月30日から積極的勧奨を差し控えることとしていたが、09年2月に乾燥細胞培養の新たな日本脳炎ワクチンが承認されたことから、10年4月から積極的勧奨を再開した。
ただ、差し控え中の05年度から09年度に9歳を迎えた人については、2期目の接種の積極的勧奨が十分に行われていないことから、13年度から毎年度18歳となる人に対して、2期接種の積極的勧奨を行っており、昨年度からは9歳となる人に対しても、2期接種の積極的勧奨を再開している。
この日の分科会では、17年度以降の日本脳炎ワクチンの積極的勧奨の差し控えに対する2期接種の対応を審議した。
傍聴者代表からは「ワクチンの定期接種化の必要性をもう一度立ち止まって考えるべき」と慎重な姿勢を求める意見が出たが、委員からは「ワクチン接種者で日本脳炎を発症した人はほとんど見られない」「基礎免疫をつけるのは意義がある」などと積極的勧奨の再会に肯定的な意見が相次ぎ、17年度から24年度までの間、それぞれの年度に18歳となる人には2期接種の積極的勧奨を行うことを了承した。
また、積極的勧奨の差し控えが行われていた期間に日本脳炎ワクチンの定期予防接種の対象だった人のうち、1期接種を完了している人に対しては、市町村長が実施できる範囲で2期接種の積極的勧奨を行っても差し支えないとした。