■薬食審調査会で了承
薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は24日、セルジーンの多発性骨髄腫治療薬「レブラミド」(一般名:レナリドミド)と「ポマリスト」(一般名:ポマリドミド)の管理や使用方法などを定めた適正管理手順(RevMate)の改定案を了承した。昨年、入院患者への誤投与が相次いだことを受けたもので、他の薬剤と区別して管理することや配薬時の本人確認をすることなど、外来患者だけでなく、入院患者への誤投与回避を重視する内容に改めた。
レブラミドとポマリストをめぐっては、昨年7月に患者の薬袋に患者名を記載しなかったことなどから、本来の患者とは別の人にレブラミドを誤投与する事故が発生。健康被害は発生しなかったものの、8月に厚生労働省は、手順書の確認や必要な安全管理対策を行うことなどを求める通知を発出した。
しかし、その後も10月から12月にかけて誤投与が3件発生。そのうち2件では、嘔吐や胃の違和感といった健康被害が確認されたことから、厚労省は「RevMate」の改定が必要と判断した。
改定案では、外来患者だけでなく、入院患者に対する誤投与の回避を徹底するため、薬剤の管理に関する項目に「入院患者の場合」を追加。他の薬剤と区別して管理することや配薬時に本人確認を行うことを盛り込んだ。また、服薬後はPTPシートを回収するなど、安全に処方できる体制をとること、他院から薬剤を持ち込んだ場合の薬剤管理手順を設定することなどの内容を記載した。
さらに、用語の定義に関する項目には、同剤の調剤と管理を行う責任薬剤師の代行となる「RevMateの手順に関わる薬剤師」の項目を新設。「責任薬剤師の管理下で、RevMate手順を遵守し、当該業務を代行する薬剤師」としたほか、「病棟看護師」も新たに設置し、「薬剤師と協働して、患者に対しレブラミド、ポマリストの配薬または服薬確認を行う者」と定義づけた。
医療従事者向けの教育資材に関しては、新たに看護師向けの資材を追加し、医師や責任薬剤師だけでなく、RevMateの手順に関わる薬剤師と病棟看護師にも教育資材を提供することとした。厚労省は、製造販売業者のセルジーンにRevMateの改定を指示し、今月中をメドに都道府県に通知を発出する考えだ。