医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > タカラバイオとiPS細胞技術の臨床応用に向けた共同研究を開始-CiRA

タカラバイオとiPS細胞技術の臨床応用に向けた共同研究を開始-CiRA

読了時間:約 1分7秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年01月25日 AM11:45

iPS細胞技術の発展には品質の保証されたiPS細胞を提供できる体制が不可欠

京都大学iPS細胞研究所()は1月23日、タカラバイオ株式会社とiPS細胞技術の臨床応用に向けた共同研究を開始したと発表した。

iPS細胞技術は、創薬研究、細胞治療、薬物安全性評価などに応用できる可能性があり、このiPS細胞技術のさらなる発展のためには、品質の保証されたiPS細胞を提供できる体制が不可欠である。そこでCiRAでは、2013年度から再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトを推進している。

このプロジェクトは、あらかじめ品質を保証したiPS細胞を製造し、研究・医療機関に提供することを目的としている。2017年度末までに、日本人の3~5割程度をカバーできる再生医療用iPS細胞ストックの備蓄を目指している。

アカデミアにおけるGMP体制の整備と新たな出荷試験項目の規格値の策定へ

CiRAでは、より品質の高いiPS細胞を継続的に製造することを目的として、細胞製造において実績のあるタカラバイオと協力し、CiRA附属細胞調製施設において、アカデミアにおけるGMP体制の整備ならびに新たな出荷試験項目の規格値などの策定を目指すとしている。なお、GMPとは、恒常的な商用生産に必要な品質を保つための製造管理・品質管理基準のこと。

タカラバイオでは、これまで蓄積してきた再生医療に用いる幹細胞や遺伝子導入細胞などの各種細胞の製造、品質管理・保証体制についての技術・ノウハウを活用し、iPS細胞技術の臨床応用、再生・細胞医療の社会実装化に貢献していくとしている。一方、CiRAでは、この提携を通して、iPS細胞を安定的に提供できる体制を整え、各研究所および医療機関での研究の進展に貢献していくと述べている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 血液中アンフィレグリンが心房細動の機能的バイオマーカーとなる可能性-神戸大ほか
  • 腎臓の過剰ろ過、加齢を考慮して判断する新たな数式を定義-大阪公立大
  • 超希少難治性疾患のHGPS、核膜修復の遅延をロナファルニブが改善-科学大ほか
  • 運動後の起立性低血圧、水分摂取で軽減の可能性-杏林大
  • ALS、オリゴデンドロサイト異常がマウスの運動障害を惹起-名大