医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > オプジーボ、胃がん対象の第3相臨床試験の成績をASCO-GI 2017で発表-小野薬品

オプジーボ、胃がん対象の第3相臨床試験の成績をASCO-GI 2017で発表-小野薬品

読了時間:約 2分3秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年01月24日 AM11:45

標準治療が不応または不耐の切除不能な進行または再発胃がん患者が対象

小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は1月20日、標準治療が不応または不耐の切除不能な進行または再発胃がん患者を対象に実施したヒト型抗ヒトPD-1(R)点滴静注」(一般名:)の第3相臨床試験(ONO-4538-12試験)の結果を、米国で開催された2017 Gastrointestinal Cancer Symposium(-GI 2017)で公表したと発表した。

オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1。今回の試験は、日本、韓国および台湾において、標準治療が不応または不耐の切除不能な進行または再発胃がん患者を対象に同剤の有効性および安全性について、プラセボ群を対照として実施された多施設共同二重盲検無作為化第3相臨床試験だ。主要評価項目は全生存期間(OS)、副次的評価項目には無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、安全性などが含まれた。

この試験では、過去に2回以上の化学療法後に不応であり、ECOG PS 0-1および切除不能な進行または再発の胃がん(食道胃接合部がんを含む)で20歳以上の患者493例を、3mg/kgのオプジーボ群(n=330)またはプラセボ(n=163)群に各々2:1の比率で無作為に割り付け、病勢進行もしくは高度な有害事象などの発現が認められるまで2週間ごとに投与したという。

オプジーボ群が全生存期間の有意な延長を示し、死亡リスクを37%低減

同臨床試験の最終解析において、オプジーボ群がプラセボ群に対して主要評価項目であるOSの有意な延長を示し、死亡リスクを有意に低減(ハザード比0.63;95%信頼区間:0.50~0.78;p<0.0001)。最後に患者が無作為化されてから5.6か月後のデータでは、OSの中央値はオプジーボ群で5.32か月、プラセボ群で4.14か月だった。12か月の全生存率は、オプジーボ群で26.6%、プラセボ群で10.9%であり、6か月の全生存率は、オプジーボ群で46.4%、プラセボ群で34.7%だった。

グレード3以上の薬剤に関連する有害事象は、オプジーボ群の11.5%、プラセボ群の5.5%で発現。薬剤に関連する有害事象(グレードを問わず)のため、オプジーボ群の2.7%およびプラセボ群の2.5%で治験薬の投与を中止したという。

オプジーボは、日本では小野薬品が2014年9月に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として発売。その後、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月に根治切除不能または転移性の腎細胞がん、2016年12月に再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する承認を取得している。頭頸部がんおよび胃がんについても承認申請しており、食道がん、胃食道接合部がんおよび食道がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、悪性胸膜中皮腫、卵巣がん、胆道がんなどを対象とした臨床試験を実施中。さらに海外においても、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、オプジーボ単剤療法または他の薬剤との併用療法による臨床試験を実施中だ。現在オプジーボは、両社の連携のもと、60か国で規制当局からの承認を取得している。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ジョンソン・エンド・ジョンソン 肺がん領域に初参入
  • レポトレクチニブ「がん細胞が耐性を獲得しにくく、長期使用に期待」
  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待