研究進めてきた血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を適用
JCRファーマ株式会社は1月19日、かねてより研究を進めてきた血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo(R)」を適用した血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤(開発番号:JR-141、一般名:血液脳関門通過型遺伝子組換えイズロン酸2スルファターゼ)について、2016年12月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画届を提出し、所定の調査が終了したことを発表した。
ハンター症候群に対する既存の治療酵素製剤は、血液脳関門を通過できないため、脳内で薬効を発揮できず、中枢神経症状に効果が期待できないという課題がある。そのため、中枢神経症状に対して、髄腔内投与などの特殊な投与方法も試みられているが、患者にとって負担が大きく、また、脳実質全体に薬剤が到達できないなどの問題が懸念されている。
2017年3月に第1/2相臨床試験を開始予定
PMDAに治験計画届を提出したJR-141は、マウスやサルを用いた動物試験で、静脈内投与による脳への薬剤移行や中枢神経系障害の改善効果において、非常に良好な結果を示している。今回、当局による所定の調査が終了したことを受け、ハンター症候群の患者を対象として、2017年3月より第1/2相臨床試験を実施する予定。
同社は今後、JR-141に引き続き、病態発症に中枢神経系が関与している他のライソゾーム病に対して、J-Brain Cargoを適用した治療酵素の開発を順次実施。希少疾病治療薬のスペシャリティファーマとして、より多くの患者の治療に貢献できるように取り組んでいくとしている。
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