医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > ポリアミン輸送タンパク質がヒスタミンの分泌を調節していることを明らかに-岡山大

ポリアミン輸送タンパク質がヒスタミンの分泌を調節していることを明らかに-岡山大

読了時間:約 1分4秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年01月20日 PM01:15

ポリアミンがヒスタミンの分泌を促進

岡山大学は1月18日、免疫反応やアレルギー反応を担う肥満細胞でポリアミン輸送タンパク質が働き、 ヒスタミンの分泌を調節していることを明らかにしたと発表した。この研究は同大大学院医歯薬学総合研究科(薬)の日浅未来助教、竹内智也大学院生らの研究グループによるもの。研究成果は「The Journal of Biological Chemistry」に1月12日付けで掲載されている。


画像はリリースより

肥満細胞は免疫反応やアレルギー反応を担う細胞で、皮膚や粘膜など全身に広く分布している。たくさんの顆粒を細胞内に持っており、この顆粒内にはさまざまな化学物質が蓄積されているが、肥満細胞が放出する物質の中でも特に重要なものがヒスタミンであり、花粉などのアレルゲンが肥満細胞に作用すると肥満細胞の顆粒に蓄積されたヒスタミンが放出され、炎症やくしゃみ、鼻水などの症状が現れる。

新規抗アレルギー薬の開発につながる成果

同研究グループは、細胞の成長、新陳代謝に欠かせない物質であるポリアミンに注目。このポリアミンが肥満細胞の顆粒内にあるVPATと呼ばれる輸送タンパク質により輸送され、放出されることが新たにわかったという。また、放出されたポリアミンはヒスタミンの放出を増強していることも明らかとなり、ポリアミンは細胞に必須な物質というだけでなく、免疫やアレルギー反応に重要な役割を果たしている可能性を見いだした。

今回の研究成果により、肥満細胞からのポリアミンを介した新しいヒスタミン放出の仕組みの提案や、VPATタンパク質をターゲットとした新しい抗アレルギー薬の開発の可能性が成果として見込まれると同研究グループは述べている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 血液中アンフィレグリンが心房細動の機能的バイオマーカーとなる可能性-神戸大ほか
  • 腎臓の過剰ろ過、加齢を考慮して判断する新たな数式を定義-大阪公立大
  • 超希少難治性疾患のHGPS、核膜修復の遅延をロナファルニブが改善-科学大ほか
  • 運動後の起立性低血圧、水分摂取で軽減の可能性-杏林大
  • ALS、オリゴデンドロサイト異常がマウスの運動障害を惹起-名大