主要評価項目のADHD RS-IV HV総スコアを有意に改善
大日本住友製薬株式会社は1月16日、米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクが、米国注意欠如・多動症学会議(APSARD:American Professional Society of ADHD and Related Disorders)の 2017年年次総会において、注意欠如・多動症(ADHD)治療剤として米国で開発中の「dasotraline」(一般名)について、6~12歳の小児ADHD 患者を対象としたフェーズ2/3 試験(SEP360-202試験)の詳細データを公表したと発表した。
dasotralineは、サノビオン社の自社開発品で、ドパミンおよびノルエピネフリンの再取り込みを阻害する新規のDNRI。半減期は47~77時間と長く、24時間の投与間隔で持続的な治療効果が得られると期待されている。現在、米国において成人および小児におけるADHDならびに成人の過食性障害(BED)を対象に臨床試験を実施中だ。
2017年に成人および小児ADHDを対象に新薬承認申請予定
今回発表された同試験結果の報告によると、同剤4mg/日投与群は、主要評価項目の投与6週間後のADHD RS-IV HV総スコアについて、プラセボ投与群に対してADHD の症状を統計学的に有意に改善(-17.53[95% 信頼区間:-20.12, -14.95]vs -11.36[-13.89, -8.83]; ffect size (ES):0.48、 p<0.001)。この統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善は、プラセボ投与群に対して、投与1週目から6週目まで維持された。副次的評価項目の臨床全般印象評価尺度-重症度(CGI-S)スコアについても、同剤4mg/日投与群はプラセボ投与群に対して統計学的に有意な改善を示したという。
また、同剤2mg/日投与群は、ADHD RS-IV HV総スコアについて、プラセボ投与群に対して統計学的に有意な改善を示さず、CGI-Sスコアについてもプラセボ投与群に対して統計学的に有意な改善を示さなかった。
安全性に関しては、同剤4mg/日投与群および2mg/日投与群は総じて良好な忍容性を示し、これまでに成人を対象に実施された同剤の臨床試験結果と一致。主な有害事象(発現率5%以上かつプラセボ投与群より多く発現したもの)は、不眠、食欲減退および体重減少だったという。
サノビオン社は、現在実施中の臨床試験が成功裏に終了した後、米国食品医薬品局(FDA)と協議のうえで、 2017年に成人および小児のADHDを対象とした新薬承認申請(NDA)を行う予定だとしている。
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・大日本住友製薬株式会社 ニュースリリース