2016年5月には治療歴のある進行膀胱がんでFDAが迅速承認
スイスのF. ホフマン・ラ・ロシュ社は1月9日、米国食品医薬品局(FDA)が、シスプラチンベースの化学療法に不適格で、未治療あるいは手術前(ネオアジュバント)または手術後(アジュバント)に化学療法を受けてから少なくとも12か月経過後に病勢進行が認められた、局所進行または転移性尿路上皮がんに対する「TECENTRIQ」(一般名:atezolizumab)の新たな適応に関する生物製剤承認申請(sBLA)を受領し、優先審査品目に指定したことを発表した。
尿路上皮がんは、全ての膀胱がんの90%を占め、腎盂、尿管および尿道でもみられる。TECENTRIQは、2016年5月に治療歴のある進行膀胱がんに対する治療薬としてFDAが迅速承認。進行膀胱がんに対しては、ここ30年以上の間で初めてFDAから承認された免疫チェックポイント阻害剤である。
今回のsBLA提出は、第2相臨床試験であるIMvigor210試験の成績に基づいたもの。シスプラチンベースの化学療法が不適格な患者に対する1次治療として評価されたという。
進行膀胱がんの治療薬として2度目の優先審査品目指定
FDAの優先審査指定は、安全性、治療、予防、または診断の有用性において、重篤な疾患に対して明確な優位性をもたらすと判断された薬剤に付与されるもの。TECENTRIQは、進行膀胱がんの治療薬では2度目の優先審査品目指定となる。
なお同剤については、国内では、非小細胞肺がんを対象とした第2相および第3相国際共同治験、非小細胞肺がんの術後補助療法、小細胞肺がん、尿路上皮がん、筋層浸潤尿路上皮がんの術後補助療法、乳がんおよび腎細胞がんを対象とした第3相国際共同治験が進行中。肝がんおよび固形がんを対象とした第1相臨床試験も実施している。
▼関連リンク
・中外製薬株式会社 ニュースリリース