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新規注射用シデロフォアセファロスポリン抗菌薬の試験結果を発表-塩野義

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2017年01月16日 PM12:30

複雑性尿路感染症における二重盲検比較試験で良好な結果

塩野義製薬株式会社は1月12日、同社が創製し開発を進めている新規注射用シデロフォアセファロスポリン抗菌薬「」(開発番号S-649266)について、複雑性尿路感染症における二重盲検比較試験(APEKs-cUTI試験)の良好な結果が得られたと発表した。

Cefiderocolはこれまでに非臨床試験において、感染症患者から分離された多剤耐性グラム陰性菌に対する強力な抗菌活性を示していたが、今回の臨床試験においても、良好な臨床効果および細菌学的効果が示されたという。これらの結果より、cefiderocolが重症グラム陰性菌感染症に対する有効な治療薬となる可能性が示されたとしている。

イミペネム/シラスタチンに対する非劣性だけでなく、優越性も確認

今回のAPEKs-cUTI試験は、腸内細菌科のみならず緑膿菌をはじめとする非ブドウ糖発酵陰性桿菌を含むグラム陰性菌による複雑性尿路感染症患者を対象に、cefiderocolの有効性および安全性をカルバペネム系抗菌薬イミペネム/シラスタチン(IPM/CS)と比較した国際共同試験。1~2週の入院治療が必要と判断された症例が集積された。

主要評価項目である、投与終了時から約7日後の臨床効果および細菌学的効果の複合有効率は、cefiderocolが72.6%(n=252)、IPM/CSが54.6%(n=119)で、両薬剤の有効率の差は18.58%(95%信頼区間:8.23,28.92)であり、cefiderocolのIPM/CSに対する非劣性が検証されるとともに、優越性も示されたという。

安全性に関しては、IPM/CS群において50.0%の症例に有害事象が、8.1%の症例に重篤な有害事象が確認されたのに対し、cefiderocol群では40.0%の症例にこれまで認められている有害事象が、4.7%の症例に重篤な有害事象が確認され、cefiderocolに対する高い忍容性が確認された。試験の詳細な結果は今後学会等で発表予定だという。

なお、今回の結果を基に、同社は2017年度上半期に米国食品医薬品局()に対してcefiderocolの新薬承認申請を行う予定としている。

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