■厚労省が改革本部
厚生労働省は12日、健康・医療・介護のデータを連結した大規模なICTインフラの構築に向け、塩崎恭久厚労相を本部長とする「データヘルス改革推進本部」を設置し、初会合を開いた。国が保有する膨大な健康・医療・介護のビッグデータを連結し、2020年度には総合的なデータプラットフォームの本格稼働を目指す。作業部会で議論を深め、今夏にも一定の成果をまとめる。
推進本部では、わが国が超高齢化社会を迎える中、膨大な健康・医療・介護のデータを整理し、分析することにより、同分野のICT利活用が国民目線になるようインフラを構築し直すと共に、自治体や保険者、医療機関などが保有する健康・医療・介護データを連結した情報システムを整備することで、個々人に最適な健康管理、診療、ケアの実現を目指す。
そのため、厚労省の部局横断的に幅広く改革に向けた検討を行うこととし、推進本部の下に四つのワーキンググループ(WG)を設置する。まず「予防・健康WG」「医療データWG」「介護データWG」の三つのWGで健康・医療・介護データの全体的なあるべき姿を示した上で、「ビッグデータ連盟・整備WG」でどういうデータを利活用して国民へのサービスを実現していくかを検討する。
会議の冒頭であいさつした塩崎厚労相は、「これまで健康・医療・介護分野のICTの活用のあり方を見ると、様々な縦割りが進んでデータが分散し、お互いにつながっておらず、本来の現場の力を引き出せない結果、患者、国民がメリットを感じることができなかった」と課題を指摘。「データヘルス改革を進め、世界初の大規模な健康・医療・介護データを有機的に連結したICTのシステムを構築し、次世代型の保健医療システムを20年度から本格稼働したい」と工程を提示。「国民一人ひとりの最適な健康管理を実現できるよう、工程表の目標を着実に実施したい」と意欲を語った。
今後、国が保有している健康・医療・介護の各分野のデータをめぐる課題についてWGで議論を深め、今夏には推進本部で一定の成果をまとめ、政府の成長戦略や骨太方針への反映を目指していく考え。