環境表面の殺菌、拭き残しの発生や薬剤耐性菌への効果に課題
テルモ株式会社と米・病院内紫外線殺菌システム大手のゼネックス・ディスインフェクション・サービス社は1月6日、紫外線殺菌ロボット「LightStrike(TM)」における日本での独占販売契約を締結したと発表した。
画像はリリースより
医療機関における環境表面の殺菌は、清掃スタッフにより手で行うのが通例だが、拭き残しの発生や薬剤耐性菌への効果が薄いことが課題とされている。これらの細菌は、紫外線を照射することで、細胞内のDNAが二重化反応、水和反応、分解などを起こし、死滅するといわれている。
薬剤耐性菌やエボラウイルス、ノロウイルスなどの殺菌に期待
LightStrikeは、キセノンによる発光を利用し紫外線を病室、手術室、器材庫などの環境表面(ドアノブや壁など)にパルス照射(断続的に照射)する装置。従来の手による環境殺菌後、病室内に満遍なくキセノン紫外線を照射することで、院内感染の原因となる薬剤耐性菌やエボラウイルス、ノロウイルスなどの殺菌が期待される。
現在は、米国、カナダ、アフリカ、ヨーロッパの地域で400台以上が導入されている。照射サイクルは1サイクルあたり約5分、1病室あたり2~3サイクルを行う。対象となる微生物は、クロストリジウム・ディフィシル(C.diff)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、エボラウイルス、炭疽菌など。
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・テルモ株式会社 プレスリリース