服薬継続が困難で再発しやすい統合失調症
大塚製薬株式会社は1月6日、統合失調症の治療薬として「ブレクスピプラゾール」の日本国内での製造販売承認申請を行ったと発表した。
統合失調症は、考えや気持ちがまとまらない状態が続く精神疾患。妄想、幻覚、思考障害、感情の平板化、意欲の欠如などの症状により、社会生活や就業への障害となる。思春期から40歳くらいまでに好発し、治療は生涯にわたることもあるが、病識の欠如やアカシジア、鎮静、体重増加の副作用などから服薬継続が難しく再発につながっており、より安全性や忍容性の高い薬剤が求められている。
急性期で有効性を確認、長期投与においても維持
ブレクスピプラゾールは大塚製薬が創製した化合物。ドパミンD2受容体およびセロトニン5HT1A受容体に強く結合してパーシャルアゴニストとして働き、セロトニン5HT2A受容体にはアンタゴニストとして働くSerotonin-Dopamine Activity Modulator(SDAM)と呼ばれる新たな作用機序を有する。
国内外の臨床試験で同剤は、急性期統合失調症患者に対する有効性が示され、長期投与においても有効性を維持。服薬アドヒアランスに影響を与えるリスク要因と考えられるアカシジア、鎮静、体重増加などの有害事象の発現割合は低いことが確認されたという。
なお同剤は、デンマークのルンドベック社とグローバルで共同開発中。2015年7月に成人の統合失調症と大うつ病補助療法の2つの適応で米FDAにより承認され、同年8月から「REXULTI(R)」(レキサルティ)として販売されている。
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・大塚製薬株式会社 ニュースリリース