■疫学調査結果
子宮頸癌ワクチン(HPV)の接種後に報告されている症状と同様の多様な症状がHPVワクチン接種歴のない12~18歳の女子でも人口10万人に20人の割合で見られることが、厚生労働科学研究班の代表者を務める祖父江友孝氏(大阪大学大学院医学系研究科教授)らの全国疫学調査で分かった。昨年12月26日の厚生科学審議会と薬事・食品衛生審議会の合同部会で報告され、HPVワクチンの接種歴がない青少年でも、疼痛や神経障害などの症状を示す人が一定数存在したと結論づけた。
調査は、全国の病院の1万8302診療科を対象に、昨年7月1日から12月31日に受診した12~18歳の青少年で疼痛や感覚障害、運動障害などの症状が3カ月以上持続しており、通学や就労に影響がある患者の有無を尋ねたもの。さらに、これらに該当する患者ありと回答した508診療科に対し、多様な症状の臨床疫学像を調査。HPVワクチン接種歴のない青少年で多様な症状があるかどうか検討した。