日本人のサブグループにおいてPFS中央値12.5か月を達成
アストラゼネカ株式会社は12月20日、タグリッソ(一般名:オシメルチニブメシル酸塩)初の無作為化比較試験であるAURA3国際共同第3相臨床試験の日本人サブグループ解析結果を第57回日本肺癌学会学術集会で報告したと発表した。
AURA3試験は、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)よる治療後に病勢が進行した局所進行あるいは転移性EGFR T790M変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者419例を対象に、タグリッソ80mg1日1回投与の有効性および安全性を、標準的な化学療法であるプラチナ製剤・ペメトレキセド併用群と比較検討した第3相国際臨床試験。同試験の結果は、12月6日に第17回世界肺癌学会で発表され、「The New England Journal of Medicine」オンライン版にも掲載されている。
肺癌診療ガイドライン2016年版ではグレードAで推奨
日本人サブグループ解析は、AURA3試験に参加した63例の日本人患者が対象。主要評価項目であるPFSは、タグリッソ群で12.5か月(中央値)、プラチナ製剤・ペメトレキセド併用群で4.3か月(中央値)だったという。また、最も高頻度にみられたグレード3以上の有害事象は両群とも好中球減少症で、タグリッソ群では7%、プラチナ製剤・ペメトレキセド併用群では27%に発現した。有効性と認容性は、AURA3全集団の解析結果と一致していたという。
日本肺癌学会が発行する「肺癌診療ガイドライン2016年版」で同剤は、AURA3試験の結果に基づき、EGFR T790M変異陽性のⅠⅤ期NSCLCでPS0~1の二次治療において、推奨グレードAとして掲載されている。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース