すべてのがん種対象にHF10を再生医療等製品として上市へ
大塚製薬株式会社は12月15日、タカラバイオ株式会社と、同社ががん治療薬として開発を進めている腫瘍溶解性ウイルスHF10の日本国内における開発および販売に関する独占的ライセンス契約を締結した。
この契約により、大塚製薬とタカラバイオは膵臓がんなどのすべてのがん腫を対象としてHF10を再生医療等製品として上市することを目指し、日本における臨床開発を進める。開発した製品は大塚製薬が日本国内で独占的に販売し、タカラバイオは臨床試験用および市販用の製剤を製造し、大塚製薬に有償供給する。
大塚製薬は、タカラバイオに契約一時金および開発の進捗に応じたマイルストーン達成金(最大約30億円)を支払い、上市後は売上高の目標達成に応じた一時金を支払うとしている。なお、悪性黒色腫(メラノーマ)の効能については、引き続きタカラバイオが主導的に開発を実施する。
がん局所への注入により顕著な抗腫瘍作用示す腫瘍溶解性ウイルス
HF10は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株で、がん局所に注入することによって顕著な抗腫瘍作用を示す腫瘍溶解性ウイルス。腫瘍溶解性ウイルスは、正常な細胞内ではほとんど増殖せず、がん細胞内において特異的に増殖することによって直接的にがん細胞を破壊する。
大塚製薬は、今回のタカラバイオとのHF10の共同開発提携を機に、遺伝子・細胞再生医療も含めたバイオロジクス分野での研究を推進し、未充足な医療ニーズに取り組んでいくと述べている。
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・大塚製薬株式会社 ニュースリリース