患者の病態予測や適切な治療の提供に有用
シスメックス株式会社、アステラス製薬株式会社および第一三共株式会社は12月15日、血中循環がん細胞(Circulating Tumor Cells:CTC)の解析法構築に関する基本合意書を締結したと発表した。
がん治療においては現在、患者に最適な治療法を提供するため、手術等で摘出されたがん組織内の細胞、タンパク質、遺伝子の検査が行われている。CTCは、がん組織から遊離して血液中にごく微量に存在するがん細胞で、他の臓器への転移を引き起こす可能性があると考えられている。CTCの数や性質などの変化に関する多面的な解析を行うことで、患者の病態予測や適切な治療の提供に有用な情報が得られる可能性が期待されており、世界中でさまざまなCTC解析法に関する研究が行われている。
新たながん診断の価値創出と、医薬品研究活用に向けた共同研究に着手
シスメックスは、これまでに診断や治療における患者の負担軽減を目指し、血液や体液中に存在する疾患由来の細胞、遺伝子、タンパク質などの微量成分を分析するリキッドバイオプシーの樹立に向けた新たな検査方法の研究開発活動を推進してきた。
一方、アステラス製薬と第一三共は、病態の詳細理解、薬剤による治療効果が期待される患者の層別化、新薬研究の情報源としてCTCに着目。新たなCTC解析法を活用することで、さらに効率的な医薬品の研究開発を推進することが可能になると考え、より精度の高いCTC解析法を共同で探索していたという。
今回3社は、CTC 解析法の構築を目的とした共同研究を進めるための協力体制構築に関する基本合意書を締結。同契約に基づき、3社は、リキッドバイオプシーを活用した診断薬や医薬品の研究開発だけでなく、臨床検査における標準化も視野に入れた新たなCTC解析法の確立に取り組むとしている。
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・シスメックス株式会社 ニュースリリース