政府の経済財政諮問会議は7日、年内にまとめる薬価制度の抜本改革に向けた基本方針について、全品目を対象に薬価を毎年見直すことなど盛り込むよう提言した。真にイノベーションを生み出す制度となるよう、新薬創出等加算をゼロベースで見直すことも求めた。これに対し、塩崎恭久厚生労働相は、実勢価格を少なくとも年1回薬価に反映できる仕組みを導入する方向性を示すと共に、より高い創薬力を持つ製薬産業の構造強化に取り組む考えも打ち出した。
同会議の民間議員は、薬価制度の抜本的見直しに向けた基本方針において、市場実勢価格と乖離した薬価差を国民に還元する原則を打ち出し、使用量や実勢価に応じて全品目を対象に毎年薬価を見直すよう提言。薬価算定方式の正確性と透明性を徹底し、国民への説明責任を果たすと共に、政府が薬価調査の正確性について検証、それを踏まえて調査の見直しを検討し、来年中に結論を得ることを求めた。
また、革新的新薬を生み出すイノベーションを推進するため、新薬創出等加算制度について真にイノベーションを生み出す効果的、効率的な制度となるようゼロベースでの抜本的な見直しを提言。費用対効果の高い薬には薬価を引き上げることも含め、費用対効果評価を薬価の仕組みに本格導入するよう求めた。
さらに、医薬品卸による安定的な供給機能を確保するため、流通の効率化と公正取引を進めることも提言。それと共に、安定的に一定の適正利益が確保されるよう公正取引の推進なども求めた。
安倍晋三首相は、塩崎厚労相など4大臣に対し、民間議員の提言や議論をもとに基本方針を決定し、次回の諮問会議で報告するよう指示した。