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経口投与可能なJAK2キナーゼ選択的阻害剤の臨床試験データを発表-日本新薬

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2016年12月07日 PM12:15

骨髄線維症を治療対象疾患とした第2相試験結果

日本新薬株式会社は12月5日、カリフォルニア州・サンディエゴで開催された第58回米国血液学会(ASH)において、(MF)を治療対象疾患とする、経口投与可能なJAK2キナーゼ選択的阻害剤「」の臨床試験データを報告したと発表した。

今回の報告は、海外で実施されたNS-018の第1/2相試験のうち第2相試験部分の有効性および安全性データ。同試験は、一次性、赤血球増多症後または本態性血小板血症後骨髄線維症を対象とした多施設共同オープンラベル用量漸増試験。第2相試験部分の主目的は、推奨用量での安全性および有効性の評価で、副次目的はNS-018と薬物動態および薬力学の相関を評価すること。他のJAK2阻害剤での治療で不耐容または再発/難治となったMF患者のみ29例を対象に、同剤を1日1回300mg投与。24週時点でMRIもしくはCT測定を実施できた26例が、有効性の解析対象となった。

JAK2阻害剤治療に不耐容または再発/難治患者に対するセカンドライン治療として有用

その結果、26例中16例(62%)について、QOLの改善や生存に関連すると報告されている10%以上の脾容積縮小を達成。また、26例中9例(35%)で20%以上の脾容積縮小を達成し、3例(12%)で35%以上の脾容積縮小を達成したという。

再発・難治性患者においては、9例中7例(78%)で脾容積縮小が観察され、さらに不耐容の患者14例中10例(72%)についても、脾容積縮小が観察された。症状を評価する総症状スコアでは、26例中23例(88%)で改善が認められ、そのうち20例(77%)で総症状スコアが25%以上改善、9例(35%)では50%以上改善されたという。

NS-018の1日1回300mg投与における忍容性は良好であり、主な血液学的有害事象は、血小板減少症(14%)と貧血(21%)だった。血小板減少症と貧血においては、重篤度がベースラインから2段階以上悪化することはなく、NS-018投与後もヘモグロビン濃度は概ね安定していたという。非血液学的有害事象は、悪心、下痢、疲労(各17%)で、第1相試験部分の安全性プロファイルと類似していた。第1相試験部分で用量制限毒性とされたグレード3もしくはグレード4の神経毒性は、第2相試験部分では認められなかったという。

これらの結果から、NS-018は、他のJAK2阻害剤治療に不耐容または再発/難治患者に対するセカンドライン治療として有用であることが示唆された。同治験の責任医師は、「この第2相試験部分は悪性度のより高いMF患者を対象にしており、他に良好な治療法がないか治療困難な患者群。今後、このような患者に対するNS-018の開発を進めていきたい」と述べている。

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