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メラニン輸送にはRhoタンパク質が必要、体表に色がつくメカニズムを解明-京大

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2016年12月07日 PM12:30

仕組みが解明されていなかった「メラニン輸送」

京都大学は12月5日、ニワトリ胚を用いてメラニンが輸送される瞬間をライブイメージング解析し、そのメカニズムにはRhoタンパク質が重要な役割を担っていることを発見したと発表した。この研究は、同大大学院理学研究科の高橋淑子教授、田所竜介助教らの研究チームによるもの。同研究成果は、英学術誌「Scientific Reports」に12月2日付で掲載されている。


画像はリリースより

皮膚は、絶え間なく降り注ぐ紫外線から体を守る大切な器官だが、中でもメラニンは特に重要で、メラニンが上手く働かないと皮膚がんなどの原因となる。メラニンは顆粒として色素細胞で作られた後、隣接する表皮細胞へと運ばれる(メラニン輸送)ことが以前より知られていたが、その仕組みはよくわかっていなかった。また、これまでのメラニン輸送の研究では、色素細胞と表皮細胞を培養シャーレの上で解析しており、結論を巡る研究者の意見も分かれていた。

尋常性白斑や皮膚がんなどの病気や、コスメティックス分野の発展に期待

そこで研究グループは、ニワトリ胚を用い、3D皮膚におけるメラニン輸送の瞬間をムービー撮影()することに試み、世界で初めて成功した。その結果、まず色素細胞の細胞膜上に水疱状の構造ができ(細胞膜ブレッビング)、この細胞膜ブレッブ内にメラニン顆粒が包み込まれ、メラニン顆粒を包み込んだブレッブが色素細胞からくびれ切れて、膜小胞となって細胞外に放出、放出された膜小胞は隣の表皮細胞へと取り込まれることを発見。また、これら一連の過程には、転移がんなどで知られているRhoタンパク質が重要な役割をもつことも判明したという。

今回の研究は、これまで論争になっていたメラニン輸送の議論に一定の決着をもたらすもの。これらの成果が、尋常性白斑や皮膚がんなどの重篤な疾病や、しみ・そばかすといったコスメティックス分野の発展へと寄与することが期待される、と研究グループは述べている。

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