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諮問会議・新浪氏、毎年改定「全ての薬は厳しい」-流通への負担に配慮必要

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2016年12月05日 AM10:15

政府の経済財政諮問会議で民間議員を務める新浪剛史氏(サントリーホールディングス社長)は1日、都内で講演し、年内に基本方針をまとめる方向の薬価制度の抜本改革に言及。その中で、製薬業界が強く反対する毎年薬価改定について、「全ての薬でやるのは大変厳しい。流通に大きな負担を与えることは得策でなく、こうした部分に配慮しながら考えていかなければならない」との認識を示した。

新浪氏らは、11月25日の諮問会議で、薬価制度の抜本改革を提言。安倍晋三首相が年内に政府基本方針をまとめるよう指示したことを受け、中央社会保険医療協議会でも議論がスタートした。

こうした状況を踏まえ、新浪氏は「諮問会議でできることは、薬価制度をどうするかの基本方針を厚生労働省に投げ、解を得る役割」と説明。その上で、提言に盛り込んだ毎年改定について「オプジーボの適応拡大から始まった問題点であり、きちんと見ていくべき」としながらも、「全ての薬でやるのは大変厳しい」との認識を示した。毎年改定の対象とする医薬品を選定する必要性を指摘し、「流通に大きな負担を与えることは得策ではない。こうした部分に配慮しながら考えていかなければならない」と述べた。

一方で、新浪氏は「効果の高い薬については、もっと作ってもらわなければいけない」と創薬の重要性を強調。革新的な新薬には、相応の価格をつけることが必要とし、「オプジーボの場合は事情があったにしても、結果的にふさわしくない価格がついてしまったが、単に薬価を下げるだけではなく、いい薬を使えるような体制を作っていかなければならない」との考えを示した。

その上で、「薬価を下げることにより、企業がシュリンクして、もう創薬をやめようというディスインセンティブに働くのは得策ではない」と述べ、「これまで価格が見えづらかったものを、本当に革新的な薬に対しては、やはりきちんとした価格をつけなければいけない。また、そういったことができる創薬環境を助長しないといけない」との考えを強調した。

ただ、新浪氏は、既存薬の化学構造を少しだけ変えたような“改良型新薬”に対しては「それをどう見ていくか」と問題意識を示し、「そういう新薬に対して新薬創出等加算が適用されている。この現状と制度のあり方について、本当に革新性があるかどうかをしっかり見ていかなければならないのではないか」と述べ、改良型新薬の毎年薬価改定については意欲を示した。

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