A型、B型インフルエンザウイルス感染症患者400例を対象として
塩野義製薬株式会社は12月1日、同社が創製したキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤S-033188の第2相臨床試験結果を、オーストラリア・メルボルンで開催中の第16回アジア太平洋臨床微生物感染症会議(APCCMI)において公表したと発表した。
画像はリリースより
S-033188は、既存のノイラミニダーゼ阻害剤とは異なるメカニズムでインフルエンザウイルスの増殖を抑制し、単回の服用でインフルエンザウイルス感染症の治療完結が期待される新規化合物。2015年10月に、厚生労働省の先駆け審査指定制度の対象品目に指定されている。
同試験は、AならびにB型インフルエンザウイルス感染症患者400例を対象に、S-033188の有効性および安全性を確認するプラセボ対照比較試験。主要評価項目であるインフルエンザ症状消失期間の短縮、副次評価項目のひとつであるウイルス量の減少、および安全性に関する結果については2016年8月にすでに報告されていた。
全身症状が消失するまでの時間を有意に短縮
今回、APCCMIにて発表された新たなデータでは、S-033188(40mg 単回 経口)は、平熱に回復するまでの時間を有意に短縮。全身症状(熱っぽさ、または悪寒、頭痛、疲労感、筋肉または関節の痛み)が消失するまでの時間も有意に短縮、呼吸器症状(鼻づまり)が消失するまでの時間も有意に短縮したとしている。
同剤は現在、グローバル第3相試験を実施しており、日本では最速で2017年度内の申請を目指す。なお、日本と台湾を除く全世界における開発は、スイスのF. Hoffmann-La Roche Ltd.との提携下で進めていく予定。
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・塩野義製薬株式会社 プレスリリース