ASCT・ブレンツキシマブベドチン治療後の再発または難治性cHLを適応に
米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は11月29日、欧州委員会が自家造血幹細胞移植(ASCT)およびブレンツキシマブベドチンによる治療後の再発または難治性古典的ホジキンリンパ腫(cHL)の成人患者の治療薬として、「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)を承認したことを発表した。
この承認は、ASCTおよびブレンツキシマブベドチンによる治療後の再発または難治性cHL患者を対象とした第2相試験「CheckMate-205」および第1相試験「CheckMate-039」の統合解析データに基づくもの。有効性評価の対象となった患者のサブセット(95例)において、主要評価項目である独立放射線評価委員会の評価による奏効率(ORR)は66%(95%信頼区間:56-76、95例中63例)。完全奏効を達成した患者の割合は6%(95%信頼区間:2-13、95例中6例)、部分奏効の割合は60%(95%信頼区間:49-70、95例中57例)。12か月時点の無増悪生存率は57%(95%信頼区間:45-68)だった。
ホジキン病とも呼ばれるホジキンリンパ腫(HL)は、体の免疫系の一部であるリンパ球に発現するがん。EUでは、2012年に約1万2,200人が新たに診断され、2,600人がHLで亡くなっている。この疾患では、多くが成人早期(20~40歳)および成人後期(55歳以上)で診断され、cHLはHL全症例の95%を占めている。
血液がんを適応としてEUで承認された初のPD-1阻害薬に
オプジーボは、血液がんを適応として欧州連合(EU)で承認された初めてで唯一のPD-1阻害薬。この承認により、EUの28の加盟国全てにおいて、再発または難治性cHLを適応としたオプジーボの販売拡大が可能になった。現在、海外においては、同社が膠芽腫、小細胞肺がん、尿路上皮がん、肝細胞がん、食道がん、大腸がん、胃がん、血液がんなどのがん腫を対象とし、オプジーボ単剤療法または他の治療薬との併用療法による臨床試験を実施中。
日本では、小野薬品工業株式会社が2014年9月に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として発売。その後、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月に根治切除不能または転移性の腎細胞がんに対する承認を取得している。また、ホジキンリンパ腫および頭頸部がんについても承認申請しており、胃がん、食道がん、胃食道接合部がんおよび食道がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、悪性胸膜中皮腫、卵巣がん、胆道がんなどを対象とした臨床試験を実施中。