有効性や安全性の観点から免疫抑制剤について先発品と後発品を併用して採用することにより、医師や薬剤師が安全な医療を提供しにくくなっていることが、木下徳康氏(大阪大学病院中央クオリティマネジメント部・薬剤部)らの検討で分かった。19日に千葉市で開かれた第11回医療の質・安全学会学術集会で報告された。
同院では、後発品の有効性・副作用情報の少なさや適応に差があることを理由に、一部薬剤で先発品と後発品を併用して採用している。その一つが免疫抑制剤だが、免疫抑制剤の後発品は移植患者に使用した場合のデータが少なく、先発品との生物学的同等性には疑問があるとの報告もある。そのため、全ての臓器移植が可能な同院では、移植患者に必ず先発品を使う方針を打ち出す一方、自己免疫疾患患者には後発品を使用する方針のもと、先発品と後発品を採用している。