異なる3種類すべての作用機序のPAH治療剤を品揃え
日本新薬株式会社は11月21日、同社が創薬し、国内ではアクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社と共同開発した、肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療剤「ウプトラビ(R)錠0.2mg、同0.4mg」(一般名:セレキシパグ)の販売を開始した。
画像はリリースより
PAHは、心臓から肺へ血液を送る肺動脈の血圧が何らかの原因で異常に上昇する予後不良な疾患。原因が不明な特発性、遺伝性および特定の疾患(膠原病や先天性心疾患など)に伴う二次性のPAHに大きく分類される。
その薬物治療においては、プロスタサイクリン系薬剤、エンドセリン受容体拮抗薬(ERA)、およびホスホジエステラーゼ5阻害薬(PDE5i)の、3種類の作用機序の薬剤が汎用されている。今回の発売により、日本新薬は、既発売のERA製剤「オプスミット(R)錠」、PDE5i製剤「アドシルカ(R)錠」とともに、異なる3種類すべての作用機序のPAH治療剤を揃えることになる。
世界初の経口投与可能な選択的プロスタサイクリン受容体作動薬
ウプトラビ錠は、世界で初めての経口投与可能な選択的プロスタサイクリン受容体(IP受容体)作動薬。IP受容体は、プロスタサイクリン(PGI2)が結合することによって血管拡張等に働く。PAHの患者ではこの働きが弱まっており、IP受容体作動薬は、この働きを強める薬剤だ。
その有効性と安全性は、導出先のスイスのアクテリオン社が日本を除く全世界で実施した第3相国際共同試験(GRIPHON試験)において確認され、国内の臨床試験においても、日本人での有効性と安全性が確認されている。
なお、同剤の国内における販促活動については、日本新薬とアクテリオン ジャパンが共同で行う。日本新薬は、両社が協力し、いち早く医療現場に届けることで、PAH治療により一層貢献したいとしている。
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