厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は16日、開発要請先の企業を指定するルールの見直し案を了承し、翌日から運用を開始した。
未承認薬の開発要請については、これまで海外で承認取得権を持つ企業の日本法人に優先的に依頼を持ちかけていた。しかし、国内開発権は別の企業が保有している場合があり、結果的に開発が遅れている可能性があることから、優先順位を撤廃し、最初から国内開発権のある日本企業、海外企業の日本法人にも開発を呼びかけ、両者で調整した後、開発企業を決定するルールに改めた。
また、適応外薬のルールについては、国内承認取得権を持つ企業に開発を呼びかけていたが、応じる企業がない場合、新たに剤形を追加する場合のみ特例として海外の承認取得権を持つ企業の日本法人を優先し、国内開発権を持つ日本企業、海外企業の日本法人にも開発を要請していた。今回の見直し案では、ルールを明確にするため、投与経路と剤形の違いによって開発要請のパターンを分けることにした。
具体的には、投与経路は同じだが剤形が異なる品目、投与経路が異なる品目の場合、海外承認取得権を持つ企業の日本法人に優先的に開発を要請するルールを撤廃。国内開発権を持つ日本企業、海外企業の日本法人にも広く開発を呼びかけることにした。
ただ、投与経路が異なる場合は、要望品目と同一の有効成分を含む医薬品の承認取得企業まで要請範囲の対象を拡大する一方、要請前に製剤開発の検討を打診するルールに改めることにした。投与経路と剤形が同じ場合は、日本での開発権保有企業を追加すると共に、日本での承認取得企業と同列の扱いに見直す。
さらに、未承認薬・適応外薬ともに、開発要請に応じる企業がなければ公募を行うが、公募しても要請先が決まらない品目については、企業統合などで新たに要請先となり得る企業が確認された場合、公募を中止し、その企業に開発を依頼するルールも追加した。