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内臓脂肪体積の新評価システム開発、家庭用体組成計に初めて搭載-筑波大ら

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2016年11月21日 AM11:45

12月上旬にエレコム株式会社から発売

筑波大学は11月16日、内臓脂肪体積をCTやMRIなどの高価な機器を用いることなく推定できるシステム(推定式)を開発したと発表した。この研究は、同大学体育系の田中喜代次教授、辻本健彦特任助教らの研究グループとエレコム株式会社および株式会社THF(筑波大学発研究成果活用企業)との共同研究によるもの。このシステムを家庭用に初めて搭載した家庭用体組成計は、12月上旬にエレコムから発売される。


画像はリリースより

内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて脂肪の合成や分解、生理活性物質の産生が活発であり、特に代謝に悪影響を及ぼす生理活性物質の産生が顕著であることから、メタボリックシンドロームの主要な危険因子であることが知られている。内臓脂肪の定量化においては、MRIを用いた複数の腹部断面画像により、内臓脂肪量を体積で評価する方法が着目されているが、一般的な利用が難しいという課題があった。

研究グループは、20~70歳の男女を対象にデータ収集を行い、生体電気インピーダンス法による抵抗値より内臓脂肪レベルおよび体組成を推定するシステムを開発。対象者は、性別や年齢層、体格を考慮して募集された。

内臓脂肪レベル、、骨量、基礎代謝の7項目が測定可能

内臓脂肪体積の評価に際しては、MRIを用いて、腹部を1cm厚、1cm間隔で断面画像撮影、腹腔内脂肪の下端から上端まで(最大で24枚)を積算した。その他に、体脂肪率や骨格筋率、骨塩量は、二重エネルギーX線吸収法を用いて測定。身体の抵抗値は、体重計型の4端子法による抵抗値測定器を用いて測定した。これらのデータから多変量解析を用いて、内臓脂肪レベルと体組成指標を推定する式を作成した。

その結果、内臓脂肪レベルにおいてはr=0.8以上の高い相関を持つ推定式が得られ、その他の体組成指標においても良好な精度を有する推定式が見出された。さらに、これらの「推定式」が搭載された家庭用体組成計の開発・販売が実現した。

製品は「(TM)」(HCS-FS01シリーズ)。体重、内臓脂肪レベル、BMI、体脂肪率、骨格筋率、骨量、基礎代謝の7項目が測定できる。体重の変化が詳細に把握できるように、50グラム単位の精密な測定が可能。無料の専用アプリを使ってスマートフォンやタブレットで、過去のデータを含めて管理することができるとしている。

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