治療歴を有する局所進行または転移性尿路上皮がん患者を対象として
米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社は11月12日、プラチナ製剤による治療歴を有する局所進行または転移性尿路上皮がん(mUC)患者において、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法2パターンを評価した第1/2相非盲検「CheckMate -032試験」の追加結果を発表した。これらは、第31回がん免疫学会(Society for Immunotherapy of Cancer)年次総会の口頭最新アブストラクトセッションⅡで発表された。
オプジーボは現在、米国、欧州および日本を含む57か国以上で承認されており、さらに、ヤーボイとの併用療法においては、転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の組み合わせとして初めての承認を取得し、米国と欧州を含む47か国以上で承認されている。
CheckMate-032試験は、進行期または転移性固形がんを対象に、オプジーボ単剤療法またはオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性と有効性を評価した、進行中の第1/2相非盲検臨床試験。PD-L1発現の有無にかかわらず患者を組み入れた。主要評価項目は、治験担当医師の判定に基づく確定奏効率(ORR)で、固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST)1.1の基準を用いて確定された。副次的評価項目には、安全性、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)が含まれた。
両併用療法の試験をさらに進めていく必要性
同試験の予備データにおいて、主要評価項目である治験担当医師の判定に基づくORRは、オプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kgの投与を受けた患者群(26例)で38.5%(95%信頼区間:20.2–59.4)であり、オプジーボ3mg/kg+ヤーボイ1mg/kgの投与を受けた患者群(104例)では26.0%だった(95%信頼区間:17.9–35.5)。
同試験において、新たな安全性シグナルは認められなかった。グレード3~4の治療に関連する有害事象(AE)の発生率は、オプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kgで30.8%であり、オプジーボ3mg/kg+ヤーボイ1mg/kg群では31.7%だった。治療に関連するAEにより、オプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kg群の7.7%、オプジーボ3mg/kg+ヤーボイ1mg/kg群の13.5%が投与を中止した。
これらのデータは、転移性尿路上皮がん患者の転帰と生存の可能性を評価するため、併用療法の試験をさらに進めていく必要性を裏付けていると、同社は述べている。