第3相臨床試験で全生存期間の有意な延長を示す
米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社は11月10日、米国食品医薬品局(FDA)が、「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)点滴静注を、プラチナ製剤による治療中または治療後に病勢進行した再発または転移性頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)患者の治療薬として承認したことを発表した。
この承認は、国際第3相無作為化非盲検臨床試験である「CheckMate-141試験」の結果に基づくもの。術後補助、術前補助、原発(切除不能な局所進行)または転移の段階で、プラチナ製剤による治療後6か月以内に腫瘍が進行した再発または転移性SCCHN患者を対象に行われた。
対照群(治験担当医師が選択した治療群であるメトトレキサート、ドセタキセルまたはセツキシマブ)と比較して、死亡リスクを30%低減し(ハザード比=0.70[95%信頼区間:0.53-0.92;p=0.0101])、統計的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)の改善を示した。OSの中央値は、オプジーボ群が7.5か月(95%信頼区間:5.5-9.1)であったのに対し、対照群では5.1か月(95%信頼区間:4.0-6.0)だったとしている。
2年以内に5つ目のがん腫で承認
これにより、オプジーボは、プラチナ製剤による治療歴を有する再発または転移性SCCHN患者を対象とした第3相臨床試験においてOSの有意な延長を証明した初めてで唯一のがん免疫療法薬となる。
今年4月、FDAはプラチナ製剤による治療歴を有する再発または転移性SCCHNに対して、オプジーボをブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定。10月には、米国国立総合がんネットワーク(NCCN)が、診療ガイドラインを改訂し、プラチナ製剤を含む化学療法による治療中または治療後に病勢進行した再発または転移性頭頸部がん患者に対する唯一のカテゴリーの単剤療法としてオプジーボの治療を推奨した。オプジーボは、2年以内に5つのがん腫で承認されたことになる。
SCCHNは、頭頸部がん全体の90%以上を占めており、SCCHN患者の50%以上がステージIII以上(局所進行または転移)。転移性頭頸部がんの5年相対生存率は38%未満であり、再発または転移性のステージIVでは、わずか4%と言われている。