進行肝線維症治療薬として第1b相試験中のND-L02-s0201含む
米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社と日東電工株式会社(Nitto)は11月10日、Nittoが治験中のsiRNA分子の開発と商業化に関する世界的独占権をブリストル・マイヤーズ スクイブに供与することで、両社が合意したと発表した。
siRNAは、ヒートショックプロテイン47(HSP47)を標的とする、ビタミンAを含む製剤。その製剤にはNittoのリード化合物であり、進行肝線維症治療薬として現在第1b相試験が行われている「ND-L02-s0201」が含まれている。ND-L02-s0201は、HSP47の発現を阻害するように設計された標的siRNA療法剤。HSP47は、コラーゲン特異型シャペロンとしてコラーゲンの合成と分泌を調節しており、これを阻害することでコラーゲンのさらなる蓄積を防止するとともに、既存の線維症の解消を可能にする。
Nittoは現在、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)またはC型肝炎に起因する進行線維症(F3-F4c)の患者において5週間の非盲検フェーズ1b試験を実施中。米医薬品食品局(FDA)はND-L02-s0201をファストトラックに指定しており、適応症は、NASHの二次疾患としての肝線維症および肝硬変、並びにC型肝炎ウイルスの二次疾患としての肝線維症および肝硬変。
肺及び他臓器の線維症の独占件を受け取るオプションも
今回の合意により、ブリストル・マイヤーズ スクイブは、肺及び他の臓器の線維症治療用のビタミンAを含む、HSP47siRNAs製剤についての独占権を受け取るオプションも供与される。今回の合意は、米国独占禁止法の下での承認が条件となる。また、同社は合意の下、一時前払金として1億度ドルをNittoに支払う。
ブリストル・マイヤーズ スクイブは、全ての肝疾患のビタミンAを含むHSP47 siRNAs製剤の開発・製造および販売を担当。Nittoには、今後の臨床試験および承認申請に応じたマイルストーンの支払い、ロイヤルティ、売上に基づくマイルストーン支払いを受ける資格もあり、肺および他臓器の線維症についてのオプション行使支払いについても同様としている。