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上肢麻痺のリハビリを目的としたロボット型運動訓練装置「ReoGo-J」発売

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2016年11月08日 PM12:10

麻痺した側の機能回復を目的とした訓練の重要性

帝人ファーマ株式会社は11月4日、脳卒中などによる上肢麻痺のリハビリテーションを目的とした上肢用ロボット型運動訓練装置「ReoGo(R)-J」を11月7日から販売開始すると発表した。


画像はリリースより

これまで、脳卒中などで上下肢の機能に関わる脳の部位が損傷すると、その部位が司る機能が失われてしまうと言われていた。しかし、近年の研究で、麻痺している側に対するリハビリを実施し、脳に適切な刺激を繰り返し与えることにより、損傷部位周辺に新たな神経回路が形成され、失われた機能が徐々に回復してくることがわかってきており、麻痺している側の機能回復を目的とした訓練の重要性が認識され始めている。

同社はこうした背景を踏まえ、リハビリ補助に関する医療機器の導入や開発に取り組んでおり、2013年には下肢麻痺患者の歩行補助・歩行改善を目的とした歩行神経筋電気刺激装置「ウォークエイド(R)」を発売している。

患者の麻痺状態に合わせた適切なリハビリが可能に

ReoGo-Jは、イスラエルのベンチャー企業が開発した機器「ReoGo」を、同社が日本向けに改良したもの。麻痺している上肢をアームに載せ、モニターに表示される目標点に向けてアームを軌道に沿って動かすことで、麻痺している上肢の関節癒着や拘縮の予防、関節可動域の改善などを図る。

放射状や円状など軌道の異なる17種類のアームの動きと、介助度の異なる5種類のモード、および負荷や速度を組み合わせにより設定することが可能。さらにはアームの動きを3次元で設定できるため、療法士によるリハビリと同様に、患者の麻痺状態に合わせた適切なリハビリが可能になるという。

また、患者自らの意志でアームを動かす設定が可能なため、脳の上肢機能に関わる部位への刺激が増加して脳の機能回復が促進され、上肢の運動機能改善が期待できるとしている。臨床研究においても、患者による自主訓練を、同製品を使った訓練に置き換えた場合、上肢の運動機能を評価する指標の変化量が2.5倍に増加したという研究成果も発表されている(Takahashi K, et al: Stroke 2016; 47 (5): 1385-1388)。

帝人ファーマは大学病院やリハビリ施設を中心に、同製品を今後3年間で300台、10年間で3,000台の達成を目指す。また、退院後にリハビリを継続する機会が限られているという社会的背景を踏まえ、将来的には在宅でのリハビリへの展開も視野に入れている。

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