日本病院薬剤師会の賀勢泰子副会長は、10月29日に都内で開かれた地方連絡協議会で、今年度から新たに設置された「地域医療検討特別委員会」について説明。超高齢化や、病院の機能分化といった「社会情勢の変化を踏まえ、薬剤師として果たすべき役割を、日病薬の各委員会と連携して検討することが目的」とし、地域医療に病院薬剤師が関わって成果を上げているような事例を「紹介してもらいたい」と呼びかけた。
同委員会は、地域医療における病院薬剤師の関わり方を検討し、有用性の高い事例があれば事例集を発行すると共に、医療連携について検討することを目的として設置されたもの。木平健治新会長のもとでスタートした執行部体制の目玉の一つとされている。
この日の会議で、東京都病院薬剤師会の赤石貴雄会長は、どのような事例を収集し、どのような医療連携を想定しているのかと質した。
賀勢氏は、超高齢化社会に備え、病院の機能分化、病床の再編、地域包括ケアシステムの構築が進められ、「地域の人口構成や、医療提供体制が地域によって多様化している」と指摘。
委員会について、こうした社会情勢の変化を踏まえ、「病院薬剤師として果たすべき役割を、日病薬の各委員会と連携して検討することを目的に活動する」と説明した。
事例収集については、急性期から回復期、地域包括ケア病棟や慢性期病院といった、「病院間の連携」をはじめ、高齢者人口が増加する都市部や、人口が減少する地方の事例など、「地域の特性を踏まえた事例なども収集したい」とした。
また加勢氏は、「地域によって様々なパターンがある」とし、「全国共通のモデルは難しいかもしれないが、多くの病院薬剤師が質の高い地域医療を提供できるよう、なるべく多くの事例を収集したい」と強調。
都道府県の会長、代議員に対して、「地域完結型医療の連携において、病院薬剤師が関わって成果を上げているような事例があったら、紹介してもらいたい」と協力を求めた。