BRCA遺伝子変異陽性再発卵巣がん患者の単剤維持療法で
英国のアストラゼネカは10月26日、BRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者を対象にしたolaparib錠の単剤維持療法の有効性を評価した第3相試験(SOLO-2試験)において、良好な結果が得られたことを発表した。
同剤は、革新的なファースト・イン・クラスのポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤で、DNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導する。同剤は、BRCA遺伝子変異陽性卵巣がんの治療薬として、米国および欧州連合で承認されている。
プラセボ群と比べ、臨床的に有意義かつ統計学的にも有意なPFS延長
SOLO-2試験は、BRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者を対象としたolaparib錠の単剤維持療法としての有効性をプラセボと比較し、評価することを目的とした第3相多施設共同試験。同試験への登録基準は生殖細胞または体細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性の患者だったが、腫瘍BRCA検査が普及していないため、ほとんどの患者は血液検査による生殖細胞BRCA検査に基づき登録された。
腫瘍検査に基づき登録された数少ない患者については、生殖細胞にもBRCA遺伝子変異を有することが確認された。患者は、olaparib錠(300mg1日2回投与)群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けられ、病勢が進行するまで治験薬を服用した。
その結果、プラセボ群との比較で、olaparib群において臨床的に有意義かつ統計学的にも有意な無増悪生存期間(PFS)の延長が示されたとともに、対象患者に対するolaparibによる治療可能性を示す新たなエビデンスが得られた。特筆すべき点として、SOLO-2試験におけるolaparib群のPFS中央値がプラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者を対象とした第2相試験(Study 19、olaparib単剤維持療法) で確認されたPFS中央値を大幅に上回ったとしている。
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