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進行期パーキンソン病、空腸への直接薬剤投与でオフ症状短縮-アッヴィ

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2016年10月31日 PM01:00

経口薬だけでは難しい進行期のオフ症状に有用

進行性パーキンソン病治療薬「(R)配合経腸用液」(一般名:レボドパ・カルビドパ水和物)の発売を9月1日から開始したことを受け、アッヴィ合同会社は10月27日、都内でプレスセミナーを開催。順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科教授の服部信孝氏による講演が行われた。


順天堂大学医学部附属順天堂医院
脳神経内科 教授 服部信孝氏(右)、
中野パーキンソン病友の会 会長 高橋治雄氏

パーキンソン病は進行すると、wearing-offと呼ばれる「オン」と「オフ」状態が交互に出現するようになる。治療薬が適切に効いている状態が「オン」で、薬が効いていない状態が「オフ」となるが、進行に伴い「オン」状態が短縮、wearing-off現象が出現する。対応策として一日に何度も服薬が必要となるが、進行に伴い消化管の動きが悪化するため、胃内容物の排出遅延が生じ、薬剤が小腸で吸収されるタイミングにばらつきが生じてしまうことがあり、wearing-offの対処は困難だった。

デュオドーパは、専用の小型携帯型注入ポンプを用いてレボドパ・カルビドパ配合剤を直接空腸に持続投与。これまでコントロールが難しかった、進行したパーキンソン病におけるwearing-offのオフ時間を減少させる効果が認められている。服部氏は治験のデータを紹介し、経口投与に比べて血漿中のレボドパ濃度が一定に保たれていること、12週間の投与でオフ時間を1日あたり4.5時間以上短縮、12か月以上投与した長期試験でも4時間短縮と有意な効果が認められていることを示した(いずれもvs. ベースライン、p<0.001)。

将来の新しい治療に期待

同セミナーでは、中野パーキンソン病友の会会長の高橋治雄氏も講演。診断に至る経緯や現在の病状を語った。高橋氏を特に困らせているのが運動症状で、すくみ足がでるため掴むところがないと動けないことや、移動には歩行器や車いすが必要であるため外出も一苦労であることなどを説明した。それでも、発症後に友の会を発足してからのほうが、健康であった頃よりも忙しい日々を送っているという高橋氏。これ以上病気が進行するのは怖いが、新しい治療薬の登場や治療法の開発が進んでいることから、近い将来にはいまの不安も解消される日がくるのでは、と期待を述べた。

服部氏によると、病気の進行とともに運動症状が増悪するパーキンソン病は、早期診断、早期介入が良好な予後のためには必須。早期診断に有用なマーカー同定も期待できる状況になってきたという。「デュオドーパは海外では10年以上の使用経験があり、脳深部刺激療法と並ぶ治療選択肢となっている。日本でのエビデンスはこれから積み重ねていく必要があるが、1日に5回以上の服薬が必要な患者さんで、服薬タイミングの調整だけではオフ症状の発現に対応しきれない患者さんは、よい適応となるだろう」(服部氏)。

なお、デュオドーパでは胃瘻造設に伴う不具合や副作用が多いものの、それ以外の有害事象としては、既存薬と同様であるという。導入にあたっては、経鼻投与で効果を確認したうえで胃瘻造設、経腸投与へとステップを進める。消化器内科や外科との連携も不可欠であり、チーム・デュオドーパの組織づくりが必要であると締めくくった。

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