1~12歳の小児XLH患者約60例で有効性と安全性を評価
協和発酵キリン株式会社は10月26日、小児X染色体遺伝性低リン血症(XLH)を対象とした抗線維芽細胞増殖因子23(Fibroblast Growth Factor 23、FGF23)完全ヒト抗体「KRN23」の第3相国際共同治験を開始したことを発表した。
XLHは、遺伝的な原因により血中のFGF23が過剰となることで、体内のリンが尿中に過剰に排泄され低リン血症となり、その結果として骨の成長・維持に障害をきたす希少な疾患。
今回開始した試験では、米国、EU、カナダ、日本、韓国で実施する経口リン製剤およびビタミンD製剤治療群を比較対照とした第3相無作為化オープンラベル試験で、1歳から12歳までの小児XLH患者約60例を対象に有効性と安全性を比較する。
主要評価項目で試験開始後40週時点のくる病画像所見の変化を評価
主要評価項目ではRadiographic Global Impression of Change(RGI-C)スコアに基づき、試験開始後40週時点における、くる病画像所見の変化を評価する。副次的評価項目では、RGI-Cスコア評価およびThacher Rickets Severity Scoring(RSS)を指標とする追加のくる病画像所見の評価や、成長速度および身長の変化、薬力学的評価、歩行能力、痛みや疲労および身体機能に関する患者報告アウトカム、安全性を評価する。
今回の治験では、すべての患者がこれまで経口リン製剤および活性型ビタミンD製剤による治療を受けており、7日間の休薬期間を経た後、KRN23投与群および比較対照群に無作為に割り付けられる。KRN23の投与群に割り付けられた患者には、2週間に1度、0.8mg/kgのKRN23が投与され、投与量は1.2mg/kgまで増量が可能。
同社は、KRN23の開発、販売に関して、米ウルトラジェニクス・ファーマスーティカルと協業およびライセンス契約を締結しており、同試験の他に、成人を対象としたKRN23の第3相臨床試験と、小児XLH対象の第2相臨床試験も現在進行中。また、KRN23は腫瘍性骨軟化症を対象とした開発も行われている。
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・協和発酵キリン株式会社 ニュースリリース