農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、スギ花粉の蛋白質を含んだ米を大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター、東京慈恵会医科大学に提供し、来月からスギ花粉症の症状改善効果を検証する臨床研究をスタートさせる。被験者に6カ月間にわたってスギ花粉ペプチド含有米を摂取してもらい、花粉症の症状が改善するかどうか解析する。また、大塚製薬工場にもスギ花粉ペプチド含有米を提供し、企業と連携した基礎研究も進め、スギ花粉を緩和する医薬品などとして実用化につなげたい考えである。
農研機構は、アレルギー反応を引き起こす蛋白質の一部を取り除いた遺伝子組み換えイネから「スギ花粉ペプチド含有米」を開発した。その実用化を加速するため、大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターなどの研究機関、製薬企業にスギ花粉ペプチド含有米を提供し、オープンイノベーションを推し進めることにした。スギ花粉米の臨床研究は、大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターと東京慈恵会医科大学において、11月からスギ花粉ペプチド含有米を被験者に摂取してもらい、半年間にわたって進め、スギ花粉症の症状が改善したかどうか検証する。また、大塚製薬工場にもスギ花粉ペプチド含有米を提供し、基礎研究を行っていくとしている。基礎研究の開始時期や内容については検討中。