買収により、精神神経領域の開発パイプラインを強化
大日本住友製薬株式会社は10月24日、米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクによる、カナダのCynapsus Therapeutics Inc.(以下、シナプサス社)の買収手続きが完了したことを発表した。
サノビオン社は、10月21日付けで、シナプサス社の発行済株式およびワラントのすべてを取得。同日付けでシナプサス社はサノビオン社の100%子会社となり、トロント証券取引所およびナスダック市場の同社株の取引が停止された。株式、ワラントおよびストックオプションを含めた同買収の取得価額の総額は、約635百万米ドル(約659億円)になったという。
今回の買収により同社グループは、シナプサス社がパーキンソン病治療剤として開発中(フェーズ3段階)の「APL-130277」(一般名:アポモルヒネ塩酸塩)を獲得。重点領域のひとつである精神神経領域の開発パイプラインを一層強化できたとしている。
パーキンソン病のオフ症状を対象として、2017年度上期にFDAへ申請予定
APL-130277は、アポモルヒネ塩酸塩(ドパミン作動薬)を有効成分として含有する、服用が簡便な舌下投与の薄いフィルム製剤。アポモルヒネ塩酸塩は、進行性のパーキンソン病におけるオフ症状を一時的に改善するレスキュー薬として唯一承認されている有効成分だが、米国で承認されているのは皮下投与の注射剤のみであった。APL-130277は、アポモルヒネ塩酸塩の皮下投与によるさまざまな課題を解決すると同時に、パーキンソン病のオフ症状を速やかに、安全かつ確実に改善するよう設計されている。朝のオフ症状を含むすべてのオフ症状に対して臨床試験を実施中だ。
同社グループはAPL-130277 について、パーキンソン病におけるオフ症状を対象として、2017年度上期(4~9 月)に米国食品医薬品局(FDA)へ新薬承認申請を目指すとしている。
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・大日本住友製薬株式会社 ニュースリリース