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【三原薬剤師会】薬局で検査、市の委託事業に-薬剤師の指導料も予算化

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2016年10月26日 AM11:00

広島県の三原薬剤師会は今年度、健診や糖尿病の治療を受けていない市民を対象に薬局で薬剤師がHbA1c値や随時血糖値などを測定し、受診勧奨や生活習慣の指導を行う事業を三原市から受託した。国などの資金を原資に2年間同様の事業に取り組んできた実績が認められ、三原市の事業として位置づけられるまでに発展した。測定機器の購入費や消耗品代に加え、薬剤師の指導料として1回あたり410円が事業予算に組み込まれたことも大きな特徴だ。

三原薬剤師会センター薬局に設置した検体測定室(同会提供)

三原市は、糖尿病の治療費が高く、特定健診の受診率が低い地域。市民の糖尿病の発症を予防したり、糖尿病を早期に発見して悪化を防止したりすることが課題となっていた。三原薬剤師会はこれまで三原市の健康増進事業に協力し関係を構築。また、過去2年間で延べ千人以上の市民を対象にHbA1c値などを測定した実績もあった。こうした背景から、身近な薬局で糖尿病のリスクを早期に発見し、特定健診の受診などにつなげることは糖尿病の予防や悪化防止に役立つとして、三原市から事業を受託した。

事業の予算にはHbA1c値測定機器の購入費や消耗品代に加え、薬剤師の指導料として1回あたり410円が組み込まれた。三原市は、検査値が高い市民には受診を促し、受診の必要はなくても数値が高い糖尿病要注意者には食事や運動など生活習慣の指導を行っている薬剤師の関わりを評価。専門職の業務に対する報酬として、調剤技術料を参考に410円という金額が設定された。報酬は三原市から支払われ、対象市民は無料で検査を受けられる。

2年間の実績を基盤に今年度は実施地域を拡大。国や三原市の予算で購入したHbA1c値測定機器15台を活用し、三原薬剤師会に所属する52薬局の半数に該当する26薬局で測定を実施している。750人の測定費用が予算化され、これまでに約400人の市民に実施した。

この事業は来年度以降3年間続く計画だ。今後もその一環としてHbA1c値測定機器を定期的に購入。最終年度までには同会の全薬局に測定機器を配置し、いつでもどこでも測定可能な環境が整う見通しだ。

三原薬剤師会は2014年度から、厚生労働省の健康づくり支援薬局モデル事業の予算を原資に取り組みを開始した。14年度は「糖尿病リスク測定」と題してHbA1c値や随時血糖値、BMIを測定して糖尿病のリスクを評価し、受診の勧奨や生活習慣の指導を行う事業を2薬局で実施し、327人の検査を行った。

15年度は総務省の糖尿病予防システム実証実験に参画し、9薬局で同様の測定を実施。地域公民館における定期的な集合測定会、10月の市民健康福祉まつりでの測定も実施し、計706人の検査を行った。

2年間の事業を通じて三原薬剤師会は、▽測定した市民の約6割はHbA1c値が5.6以上の糖尿病要注意者であり、早期介入が必要▽身近な薬局で気軽に測定可能な環境作りが急務▽2014年度に糖尿病要注意者と評価し薬剤師が関わった市民のうち15年度に再測定した56人のHbA1c値は、14年度に比べて0.41%低下していた――などの実態や効果を明らかにしてきた。

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