TERRAIN試験から得られたビカルタミドと比較した新たな臨床データを記載
アステラス製薬株式会社は10月24日、米国Medivation社と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体阻害剤「エンザルタミド」(製品名:XTANDI)について、TERRAIN試験から得られたビカルタミドと比較した、新たな臨床データを記載する米国製品添付文書改訂が米国食品医薬品局(FDA)により承認されたと発表した。エンザルタミドを投与した転移性去勢抵抗性前立腺がん患者群の画像診断上の無増悪生存期間が、ビカルタミドを投与した患者群と比較して延長したとしている。
米国がん協会によると、米国では、毎年18万1,000例の前立腺がん症例が新たに診断され、2016年には男性2万6,000人が前立腺がんにより死亡すると推定されている。前立腺がんと診断され、治療を受けた男性の最大40%が、転移性または進行性前立腺がんを発症。米国では、転移性前立腺がん患者の5年生存率は28%であるのに対し、非転移性前立腺がん患者の5年生存率は100%。
ビカルタミドと比べ、画像診断上の進行または死亡のリスクを40%低下
TERRAIN試験では、転移性去勢抵抗性前立腺がんの男性におけるエンザルタミドの評価を行っており、その結果はすでに「The Lancet Oncology」で報告済み。エンザルタミドはビカルタミドと比較し、画像診断上の進行または死亡のリスクを40%低下させた(画像診断上の無増悪生存期間の中央値は、エンザルタミド群で19.5か月、ビカルタミド群で13.4か月(ハザード比=0.60;95%信頼区間、0.43~0.83))。また、エンザルタミドの安全性プロファイルはこれまで知られている結果と一致していたとしている。
なお、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)は、2016年4月7日にエンザルタミドについて、TERRAIN試験のデータを欧州の添付文書に含めるための同様の添付文書改訂の承認を勧告する肯定的意見を表明している。
▼関連リンク
・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース