「ノバグノスト 百日咳/IgM」と「ノバグノスト 百日咳/IgA」
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社は10月21日、百日咳抗体測定キット「ノバグノスト 百日咳/IgM」および「ノバグノスト 百日咳/IgA」の販売を開始した。
画像はリリースより
百日咳は、ワクチン未接種もしくは未完了の乳幼児がかかると、激しい咳による呼吸困難や二次感染による肺炎の併発など、症状が重くなる確率が高くなる。無呼吸発作など重篤になることがあり、生後6か月未満では死に至る危険もが高くなる。
しかし、現行ワクチンの免疫持続期間は4~12年とされ、近年、乳幼児期に接種したワクチンの効果が減弱した成人の感染が増えている。成人の場合、咳は長期間続くが、比較的軽い症状で経過することが多いために放置されやすい。重症化しやすい乳幼児へと感染を広げてしまうことが問題となっており、感染拡大を防ぐために早期診断・早期治療が求められている。
百日咳の早期診断・早期治療に期待
百日咳の確定診断検査には、鼻粘膜からの拭い液の一部を採取・培養して菌の存在を確認する菌培養検査、鼻粘膜の拭い液の一部を使った遺伝子検査、IgG抗体を測定する血液検査がある。菌培養検査および遺伝子検査は早期診断が可能だが、検出時期が初期のいっときに限定されること、治療による抗菌薬投与で菌が消失することなどにより、検出率が低いとされている。IgG抗体検査はワクチンの影響を受けるため、確定診断には2週間の間隔をあけて2回検査を行うことが原則必要で、百日咳の早期診断は難しいとされてきた。
今回発売するノバグノスト 百日咳/IgMとノバグノスト 百日咳/IgAは、ワクチンの影響を受けないため、1回の検査で感染初期に発現する抗体を測定できる血液検査。IgM抗体は、病日15日、IgA抗体は病日21日をピークに発現し、IgA抗体はIgM抗体よりも持続することが国内臨床試験で確認されている。同社は、この抗体測定キットにより、百日咳の早期診断・早期治療に貢献できるとしている。