投与1年後のPASI90およびPASI100反応率を4年後まで維持
スイスのノバルティスは10月1日、新たなデータから「コセンティクス(R)」(一般名:セクキヌマブ)が4年にわたり大部分の中等症から重症の局面型乾癬患者の皮膚症状の「寛解」または「ほぼ寛解」(PASI90~PASI100)を維持したと発表した。この最新データは、オーストリア・ウィーンで開催された第25回欧州皮膚科学・性病学会議(EADV)で発表された。
コセンティクスは、インターロイキン-17A(IL-17A)を選択的に中和する完全ヒトモノクローナル抗体。IL-17Aは、乾癬、強直性脊椎炎(AS)および乾癬性関節炎(PsA)における免疫反応の促進に重要な役割を果たしている可能性が研究によって示されている。
乾癬治療の目的は皮膚症状の寛解であり、PASI(Psoriasis Area Severity Index)90反応率が治療奏効の重要な指標とされている。コセンティクスの4年間にわたる有効性を検討したA2304E1試験では、同剤投与1年後には68.5%で皮膚症状の「寛解」(PASI100)または「ほぼ寛解」(PASI90)が達成され、この割合は4年後(66.4%)まで維持されたという。皮膚症状の「寛解」は、投与1年後には43.8%で達成し、この割合を4年後(43.5%)まで維持。PASIスコアから測定する乾癬の平均改善率は、4年間の治療中90%超で維持されたという。また、治療の標準的な目標であるPASI75反応率は、4年後に88.5%で達成された。この長期試験中、同剤の安全性プロファイルは先行する第3相試験で示されたものと一致したという。
手足の乾癬治療でも長期の有効性を確認
さらにEADVでは、治療が難しいとされる身体部位である手足(掌蹠)の乾癬治療に対するコセンティクスの長期(1.5年間)の有効性についても結果が発表された。乾癬患者の約60%で同剤による手掌・足底症状の「寛解」または「ほぼ寛解」が達成され、1.5年間にわたり改善を維持。これにより、同剤は日常生活に不可欠な身体部位に乾癬を持つ患者の重要な治療選択肢であることが示された。このような患者は、他の部位に乾癬を持つ患者と比べて大きな障害と不快感に苦しむことが知られている。
なお、コセンティクスの日本での効能・効果は、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬および膿疱性乾癬。現在、国内において小児乾癬、強直性脊椎炎、X線上所見の見られない体軸性脊椎関節炎に対する効能追加取得のための臨床試験をそれぞれ実施中だ。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース