慢性腰痛による仕事や日常生活、趣味への影響を調査
塩野義製薬株式会社と日本イーライリリー株式会社は10月18日、慢性腰痛に対する意識・実態調査の結果を公表。対象の3人に1人が仕事を辞めたいと思ったことがあると回答し、患者のQOLに大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。
この調査は、医療機関で慢性腰痛症と診断され、現在治療中または治療を行っていた2,350人と、慢性腰痛症の治療経験のある整形外科医111人を対象に行われたもの。対象の9割以上が日常の生活に、また5割以上が趣味や週末・休日の外出に支障があると回答した。
また、治療実態については、明確に治療目標を設定していると回答したのは患者・医師とも半数以下という結果に。一方で、治療目標を設定した患者は、目標を設定していない患者の2倍以上治療に満足しており、患者・医師の間で合意した治療目標を設定することの重要性が浮き彫りになった。
浜松医科大・松山教授「患者と向き合っていかなければ」
浜松医科大学整形外科 松山幸弘教授
前日、両社主催で行われたプレスセミナーで講演した浜松医科大学整形外科教授の松山幸弘氏は「治療のゴールは患者個々人によって違う。慢性腰痛の程度、生活への支障の程度、そしてどの程度治るかという医師の判断。これらを患者とよく話して、ゴールを決める必要がある」と治療目標の設定を呼び掛けた。
また、今回の調査では、治療を受けている医療機関として、いわゆる民間療法を挙げた回答者が20%に上り、病院・クリニック(19%)とほぼ同数だったことを受け、「マッサージなどの民間療法では患者の身体をよく触るし、よく話をする。そういうことを患者は求めている。その点は、我々ももう少し思い直して、患者と向き合っていかなければならない」と語った。
なお、今回の調査の詳細は、両社ウェブサイトに掲載されている。