中央社会保険医療協議会が19日に開いた総会で、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)と診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)が医師の処方権と薬剤師の調剤権をめぐり、激しい議論を繰り広げた。今月10日に名古屋で開かれた日本薬剤師会学術大会で幸野氏が講演した際の、「医師の処方権があまりにも強いため、薬剤師の調剤権と格差がありすぎる」といった発言や、「調剤権の拡大・強化」を2018年度診療報酬改定の重点事項の一つに位置づける考えを示した(薬事日報既報)ことを中川氏が問題視し、その真意を質したことから議論が過熱したが、処方権と調剤権に対する両者の考え方の溝は埋まらなかった。
中川氏は、幸野氏の講演での発言について、「非常に驚いたがこれは事実か」「発言は中医協委員としてのものか」と質した。幸野氏は、「中医協委員というより、健保連の一理事として発言したつもり」としたものの、発言内容については、「保険者は医師の処方権、薬剤師の調剤権には格差があると感じている。以前から持っている持論を話した」と否定はしなかった。