自家造血幹細胞移植およびブレンツキシマブ ベドチン治療後に
米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社は10月14日、欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)が、自家造血幹細胞移植(ASCT)およびブレンツキシマブ ベドチンによる治療後の再発または難治性古典的ホジキンリンパ腫(cHL)成人患者の治療薬として、「オプジーボ(R)」(一般名:ニボルマブ)の承認を推奨したことを発表した。
ホジキン病とも呼ばれるホジキンリンパ腫(HL)は、体の免疫系の一部であり、リンパ球に発現するがん。欧州連合では、2012年に約1万2,200人が新たに診断され、2,600人がホジキンリンパ腫で亡くなったという。この疾患では、多くが成人早期(20歳~40歳)および成人後期(55歳以上)で診断される。cHLは、ホジキンリンパ腫の中で最も一般的で、全症例の95%を占めている。現在承認されている治療法に対し、再発または不応となった患者においては、大きなアンメット・メディカル・ニーズが残されている。
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬。2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬で、現在は、米国、欧州および日本を含む57か国以上で承認。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっている。
血液がん治療で、欧州で初めて承認されるPD-1阻害薬
今回のCHMPの肯定的見解は、ASCTおよびブレンツキシマブ ベドチンによる治療後の再発または難治性cHL患者を対象として評価した第2相CheckMate-205試験および第1相CheckMate-039試験の結果を根拠としている。
両試験の結果より、独立放射線評価委員会の評価によるオプジーボの奏効率は66%だった。CheckMate-205試験およびCheckMate-039試験の全患者(安全性解析対象患者263例)において最も一般的な(20%以上で報告された)有害事象は、疲労(32.3%)、下痢(28.9%)、発熱(27.1%)および咳嗽(25.9%)だったという。
CHMPの推奨により、今後、欧州連合で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会によって審査される。承認された場合、オプジーボは血液がんの治療において欧州で初めて承認されるPD-1阻害薬となる。